2025年12月10日、東京市場朝のドル円は、昨晩発表された米JOLTS求人件数が予想を上回る強い結果となったことを受け、底堅い展開で始まっています。労働市場の強さを示す結果はドル買いを誘いやすい地合いです。
しかし、本日は深夜(日本時間11日未明)に今週最大のイベントである米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利発表を控えています。市場では0.25%の利下げがコンセンサスとなっていますが、声明文やパウエル議長の記者会見での今後の金融政策に関する発言内容に注目が集まっており、結果が判明するまでは積極的な取引が手控えられ、様子見ムードの強い一日となりそうです。
本日のUSD/JPY 見通しとトレード戦略
アジア時間〜欧州時間:FOMC待ちのレンジ相場か
東京時間では10:30に発表される中国の消費者物価指数(CPI)および生産者物価指数(PPI)が材料となります。結果が市場予想から大きく乖離すれば、リスクセンチメントの変化を通じて円相場に影響を与える可能性がありますが、基本的にはFOMCを前に方向感の出にくいレンジ相場を想定します。ポジション調整の動きが中心となり、神経質な展開が続くでしょう。
NY時間:米雇用コスト指数が短期的な変動要因に
本日最も注目すべき指標は、22:30に発表される米・雇用コスト指数です。これはFRBがインフレ動向を判断する上で重視している指標の一つであり、結果次第ではFOMCを前にした思惑的な売買が活発化する可能性があります。
- 予想(前期比+1.0%)を上回る場合:インフレ圧力の根強さが意識され、FRBの利下げ期待が後退し、ドル買い(USD/JPY上昇)で反応する可能性があります。
- 予想を下回る場合:インフレの鎮静化を示すものと受け止められ、FRBのハト派姿勢を後押しする材料となり、ドル売り(USD/JPY下落)につながる可能性があります。
ただし、指標発表で動いたとしても、その後のFOMCの結果次第でトレンドが反転するリスクも高いため、深追いは禁物です。ポジションを持ち越さず、短期売買に徹するのが賢明でしょう。
デイトレード戦略まとめ
- 基本スタンス:FOMC前のため、様子見。NY時間までは狭いレンジでの逆張りが有効か。
- 注目イベント:22:30の米雇用コスト指数。発表直後のボラティリティ上昇に注意し、結果を確認してからエントリーを検討。
- 注意点:ポジションの持ち越しは極めてハイリスク。FOMC発表前にポジションはクローズすることを推奨します。
今日の重要指標
- 10:30 (中) 中国・消費者物価指数(CPI) (重要度: ★★★)
- 10:30 (中) 中国・生産者物価指数(PPI) (重要度: ★★★)
- 22:30 (米) 雇用コスト指数 (重要度: ★★★★)
- 04:00 (米) FRB政策金利(FOMC) (重要度: ★★★★★) ※日本時間11日
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