2025年12月16日、本日のドル円相場は、日本時間の夜に発表される米国の重要経済指標を前に、日中は様子見ムードが強まる展開が予想されます。特に22:30に発表が集中する11月米雇用統計や10月米小売売上高は、相場を大きく動かす可能性があり、最大限の警戒が必要です。
NY時間までは方向感の出にくい展開が想定されますが、指標発表をきっかけにトレンドが発生する可能性があるため、発表内容を見極めた上で慎重にトレード戦略を組み立てる必要があります。
今日の重要指標
本日はNY時間に最重要指標の発表が集中しています。
- 16:00 (英) 英国・ILO失業率 10月 (重要度: ★4)
- 19:00 (独) ドイツ・ZEW景況感指数 12月 (重要度: ★4)
- 22:30 (米) アメリカ・雇用統計 11月 [非農業部門雇用者数] (重要度: ★5) (予想: 5.1万人)
- 22:30 (米) アメリカ・雇用統計 11月 [失業率] (重要度: ★5) (予想: 4.5%)
- 22:30 (米) アメリカ・小売売上高 10月 [前月比] (重要度: ★5) (予想: 0.1%)
- 23:45 (米) アメリカ・製造業PMI(速報値) 12月 (重要度: ★5)
ドル円のデイトレード戦略
東京時間〜欧州時間:様子見ムードの中、レンジ相場を想定
NY時間のビッグイベントを控え、東京時間から欧州時間にかけては積極的な売買が手控えられ、小動きなレンジ相場となる可能性が高いでしょう。仲値に向けた実需フロー以外に大きな材料はなく、突発的なニュースが出ない限りは方向感に乏しい展開となりそうです。
短期的な逆張り戦略も考えられますが、NY時間に向けてポジションを調整する動きも出やすいため、深追いは禁物です。基本的にはNY時間の指標発表を待つスタンスが賢明でしょう。
NY時間:米重要指標の結果が相場の方向性を決める
本日のメインイベントです。22:30に発表される米雇用統計と小売売上高の結果に市場の注目が全て集まります。市場予想との乖離が大きければ、ボラティリティが急激に高まることが予想されます。発表直後はスプレッド拡大やスリッページに注意が必要です。
- シナリオ1:指標が市場予想を上回る(強い)場合
米国の景気後退懸念が和らぎ、FRBの利下げ期待が後退することから、米長期金利が上昇し、ドル買いが強まる展開が想定されます。ドル円は上昇し、直近の高値を目指す動きとなる可能性があります。発表後の初動を確認し、押し目を狙った買い(ロング)戦略が有効です。 - シナリオ2:指標が市場予想を下回る(弱い)場合
米国の景気減速が鮮明となり、FRBによる早期利下げ観測が強まることで、米長期金利は低下し、ドル売りが優勢となるでしょう。ドル円は下落し、重要なサポートラインを試す展開が考えられます。発表後の戻りを狙った売り(ショート)戦略を検討します。
さらに、23:45には米PMI速報値の発表も控えています。22:30の指標結果で生まれたトレンドを加速させる材料となるか、あるいは逆のサプライズとなるかで相場が再び動く可能性があるため、こちらの結果にも注意が必要です。
テクニカル分析の視点
現在の相場水準を基に、以下のポイントを意識します。
- 上値抵抗線(レジスタンス):149.00円、149.50円
- 下値支持線(サポート):148.00円、147.50円
まずはこれらの節目をどちらに抜けるかが短期的な焦点となります。指標結果を受けてこれらのラインを明確にブレイクした場合、その方向へトレンドが加速する可能性があります。
まとめ
本日のドル円は、NY時間の米重要指標が全てです。日中は無理なエントリーを避け、NY時間の値動きに備えましょう。指標発表後は、結果を冷静に分析し、発生したトレンドに順張りで乗ることを基本戦略とします。ボラティリティの急拡大に備え、損切り注文は必ず設定し、リスク管理を徹底してください。
本記事は情報の提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねます。