おはようございます。2025年12月17日(水)、東京時間の朝を迎えました。ベテラン為替トレーダーの視点から、本日のドル円(USD/JPY)相場の見通しとデイトレード戦略を解説します。
昨晩の海外市場では、米国から目立った経済指標の発表はなく、ドル円は小動きに終始しました。市場の関心は、明日18日に発表される米消費者物価指数(CPI)、そして19日に予定されている日銀金融政策決定会合に完全にシフトしており、本日はこれらのビッグイベントを前にした様子見ムードが支配的となりそうです。
そのため、本日のドル円は大きな方向感が出にくく、需給要因を中心としたレンジ相場が想定されます。ただし、東京時間朝に発表される日本の経済指標には短期的な注意が必要です。
今日の重要指標
本日発表される経済指標の中で、特に注目すべきは以下の通りです。
- 08:50【日本】通関ベース貿易収支(11月)
重要度:★★★☆☆
市場予想は640億円の黒字となっており、前回の-2318億円の赤字からの改善が見込まれています。予想を大幅に上回る黒字となれば短期的な円買い要因、逆に赤字が継続するような弱い結果となれば円売りで反応する可能性があります。 - 08:50【日本】機械受注(10月)[前月比]
重要度:★★★☆☆
設備投資の先行指標とされ、市場予想は-2.1%と前回(4.2%)からの悪化が見込まれています。予想以上に悪化した場合、日本経済の先行き懸念から円が売られる可能性がありますが、貿易収支ほどのインパクトはないでしょう。 - 18:00【ドイツ】Ifo景況感指数(12月)
重要度:★★★★☆
ユーロ圏経済の先行指標として注目されます。結果がユーロ相場を動かし、クロス円(EUR/JPY)を通じてドル円にも間接的に影響を与える可能性があるため、念のため注視しておきましょう。
本日のドル円デイトレード戦略
基本戦略:レンジ相場を想定した逆張り
前述の通り、本日は重要イベントを控えて積極的な取引が手控えられ、明確なトレンドは発生しにくいと見ています。したがって、想定されるレンジの上限と下限を見極め、短期的な逆張り戦略が有効と考えられます。
想定レンジとエントリーの目安
- 想定レンジ: 148.70円 ~ 149.80円
- 買い戦略: 149.00円を割り込み、サポートとして意識されやすい148.70円付近まで引きつけてからの押し目買いを検討。下値での反発を確認してからエントリーするのが安全です。損切りは148.40円を明確に割り込んだ水準に設定。
- 売り戦略: 149.50円を超え、レジスタンスとして意識されやすい149.80円付近で上値の重さを確認してからの戻り売りを検討。損切りは心理的節目の150.10円を明確に超えた水準に設定。
注意点
東京時間08:50の日本の指標発表前後では、一時的にボラティリティが高まる可能性があります。指標の結果を受けた初動には乗らず、市場が落ち着くのを待ってからエントリーすることが賢明です。また、NY時間にかけては更に動意が薄くなることも想定されます。明日の米CPIに備え、ポジションの持ち越しは避け、本日中に手仕舞うことを強く推奨します。
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